Web会議が始まるのに、会議室が空いていない。自席で電話をすると、周りの人の仕事を妨げていないか気になる。そんなオフィスの音の悩みには、吸音材で響きを抑える方法もあれば、防音室をつくる方法、1人用の防音ブースを設置する方法もあります。
どの方法が合うかは、使う人数や目的、設置場所によって変わります。この記事では、オフィスの防音対策を比較しながら、Tuliko UI1-Sを例に防音ブースの選び方と、費用・搬入・設置で確認しておきたい点を紹介します。
01 / 用途から考える
オフィスの音の悩みは、どこから来る?
周囲の会話が響いて集中しづらいのか、自分の通話が周りに聞こえるのが気になるのか。音の悩みを分けて考えると、対策を選びやすくなります。会議室が足りない場合は、利用人数や予約の仕方もあわせて見直しましょう。
室内の響きが気になる
壁や天井の吸音、席の配置などを検討します。吸音材を置くだけで、隣の空間への音漏れを防げるとは限りません。
電話やWeb会議の場所がない
1人での電話やWeb会議には、個室型の防音ブースが選択肢になります。複数人で使う会議室と、1人で話す場所を分けて考えましょう。
複数人で資料を広げたい
会議室や複数人向けのブースが候補になります。机・椅子・モニターを配置したときに、無理なく使える広さが必要です。
「何人が同時に使うか」「1回の利用は何分か」「PCだけか、紙の資料も使うか」。この3点を先に決めると、本体サイズだけで選ぶ失敗を避けやすくなります。
02 / 方法を比べる
吸音対策・防音工事・設置型ブースの違い
執務室全体の響きを抑えたい場合と、通話用の個室を増やしたい場合では、必要な対策が違います。まずは3つの方法を比べてみましょう。
| 方法 | 主な目的 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| 吸音材・レイアウトの調整 | 室内の反射音や席同士の距離を見直す | 声が伝わる経路。通話用の個室が必要か |
| 部屋をつくる防音工事 | 利用人数や設備に合わせた空間を計画する | 壁・床・天井・扉・空調の施工範囲、工期、既存の建物や設備との接続部分 |
| 設置型の防音ブース | 既存の執務空間に通話・作業の場所を追加する | 製品の試験条件、家具、搬入、組立、床・電源・換気の条件 |
防音工事では必要な空間に合わせた計画を相談できます。設置型ブースでは、製品ごとに決まった寸法や設備を確認して選びます。どちらも、現場条件によって費用や作業内容が変わるため、一律に「安い」「すぐ使える」とは判断できません。
吸音は室内の反射音を抑えるための考え方、遮音は音の伝わりを抑えるための考え方です。実際の聞こえ方には、扉や隙間、換気経路、床などを伝わる振動も関わります。材料名だけで完成品の性能を判断しないことが大切です。
03 / UI1-Sで見る選び方
防音ブースの選び方:遮音性能・換気・デスク
Tuliko UI1-Sは、電話やWeb会議に使える1人用防音ブースです。選ぶときは遮音性能だけでなく、扉の開閉、換気、照明、デスクの使いやすさにも目を向けてみてください。

素材と試験結果で見る遮音性能
UI1-Sは6063アルミニウム合金のフレーム、粉体塗装鋼板、10 mm強化ガラスを採用。壁体には55 mmの遮音板と15 mmの内装吸音パネルなどを組み合わせています。55 mmは一つの層の厚さで、壁全体の厚さではありません。
対応する試験報告書では、ISO 23351-1:2020による音声レベル低減量DS,Aは33.0 dB、Class A。報告書のモデル名はUI1で、外寸はUI1-Sの仕様と一致します。
33.0 dBは「ブース内が33 dBになる」という意味ではありません。住宅の遮音等級とそのまま比較したり、会話が聞こえなくなると判断したりせず、試験対象と条件を確認します。性能・試験資料を見る

Web会議には、換気と照明も大切
UI1-Sはファン2基を備え、通風量は1.56 m³/min(仕様値)。トップライトは0〜18 Wで調光できます。Web会議では顔の見え方、資料を読むときは手元の明るさを確認します。
換気は冷房ではありません。室温はオフィス全体の空調、利用時間、使用する機器と合わせて考え、吸排気を荷物などで塞がない配置にします。

デスクは、PCの大きさと作業姿勢に合わせて
固定デスクと昇降デスクを別途選択できます。昇降デスクは幅700 × 奥行300 mm、高さ730〜1,200 mm。ノートPCだけで使うのか、外付けキーボードや資料も置くのかを確認します。
写真の机・椅子は別売りです。必要な家具を選び、見積明細で内容をご確認ください。電源・プラグについても、使用する機器に合う日本向けの仕様をご相談いただけます。
1人の通話にはUI1-S、作業や対話にはTUL-M、打ち合わせにはTUL-Lを候補として、家具構成から選びます。利用人数と設備はモデル名だけで判断せず、選択する構成ごとに確認しましょう。製品の違いを見る
04 / 置けるかを確かめる
防音ブースの設置に必要な広さと搬入条件

UI1-Sの外寸はW1,000 × D1,086 × H2,240 mm、内寸はW846 × D986 × H2,066 mm。本体の床面積は外寸から計算すると約1.09 m²です。
この面積には、扉の開閉、通路、組立・点検のための空間を含みません。本体重量は326 kg。図面に本体が収まっていても、床の条件や搬入経路によって設置できない場合があります。
- 平面図:扉の開く向き、周囲の通路、家具との干渉。
- 高さ:天井・照明・設備との位置関係と、施工に必要な空間。
- 搬入:エレベーター、出入口、廊下の曲がり角、段差。
- 床:本体と利用者・家具を含めた荷重、支持条件、水平。
- 設備:電源、空調、吸排気、建物側の設備との調整。
建物側の手続きや必要な設備対応は、管理会社・設置業者などに確認します。設置型だから確認や作業が不要とは限りません。設置・搬入の確認事項を見る
05 / 導入費用を確認
防音工事と防音ブースの費用は、総額で比較
防音工事の費用や防音ブースの価格を調べるときは、表示金額に何が含まれているかが大切です。本体のみの金額と、家具・配送・施工込みの金額は、そのまま比べられません。見積もりでは、次の項目をそろえて確認しましょう。
| 確認する項目 | 見積もりで確かめる内容 |
|---|---|
| 本体・施工範囲 | 型番・仕様、工事に含む壁・床・天井・扉などの範囲 |
| 家具・機器 | 机・椅子、モニター、電源モジュールなどの数量と付属範囲 |
| 配送・搬入 | 納品場所、搬入階、エレベーター、特殊な搬入の有無 |
| 組立・設置・設備対応 | 基本料金に含む作業と、現場条件による追加作業 |
| 税・維持管理 | 税込・税別、保証対象、交換・移設時の作業や費用 |
Tulikoの価格・構成は最新の製品情報と見積明細で確認できます。設置場所と希望の家具を伝え、含まれる費用・別途となる費用を整理してから比較してください。
導入後の運用も予算検討の一部です。予約方法、1回の利用時間、清掃、点検の担当を決めておくと、共用しやすい環境をつくれます。
06 / よくある質問
導入前に確認しておきたいこと
防音ブースなら、会話は外に聞こえませんか?
完全に聞こえなくなるとは限りません。声量、周囲の音、扉の状態や設置環境によって聞こえ方は変わります。機密性が重要な用途では、利用ルールと現場での確認も必要です。
賃貸オフィスにも設置できますか?
物件ごとの条件によります。管理会社への確認、搬入経路、床、電源、建物設備との調整が必要です。退去時の撤去や原状回復の範囲も事前に確認します。
あとから場所を変えられますか?
UI1-Sはキャスターと調整脚を備えますが、326 kgの本体を利用者だけで動かす前提にはしません。移設先の床・経路・設備条件を含めて、設置業者へ相談してください。
楽器の練習用として選べますか?
この記事はオフィスの通話・Web会議を想定しています。音声の試験結果だけでは楽器や低音、床に伝わる振動への適合を判断できません。用途と必要な性能を別途確認する必要があります。
UI1-Sの詳しい構造はどこで見られますか?
UI1-Sの構造・仕様を紹介する記事で、素材、扉、換気、操作部、家具を写真とともに確認できます。
オフィスに合う防音ブースを相談する
電話・Web会議用なのか、複数人での打ち合わせ用なのか。使い方と、設置したい場所をお聞かせください。平面図や現場の写真、ご希望の家具が分かると、配置やお見積もりのご相談がスムーズです。
設置・見積もりを相談する →参考資料・製品情報
作成:Tuliko。製品仕様の確認日:2026年10月21日。UI1-Sの数値は同モデルの資料に基づき、他モデルへ一律に適用するものではありません。冒頭の画像はAIで作成した設置イメージです。家具は別売りで、パソコンは付属しません。
- Tuliko UI1-S 製品情報
- UI1/UI1-S対応 音響試験報告書(対象・結果:3〜4ページ)
- 参考:SUUMO「自宅に防音室を作る場合の費用・注意点」。住宅向けの記事であり、本記事のオフィス導入費用とは条件が異なります。
